下駄の日(11月11日の記念日)
下駄の歯の跡の見た目に由来する。
伊豆長岡観光協会が制定した説があるが真偽不明。下記の情報が誤って伝わっている可能性がある。
「下駄組合(東京履物事業共同組合)」が制定したとする1986年出版の資料1 があり、1980年代に「下駄の日」を記した資料が登場している。その際に「下駄供養」にも触れているが、観光協会が制定したとは記載していない。
- 「下駄組合(東京履物事業共同組合)は、一一月一一日を「下駄の日」に制定し、伊豆長岡町では毎年、この日に下駄マラソンや、下駄供養などのイベントを賑やかに行なっている。」1
- 「一一月一一日は下駄の日、八月八日をヒゲの日にという案も業者からでているそうですが」2
- 『語呂合わせの記念日と「視覚型」の記念日を紹介する一節に「十一月十一日は「下駄の日」。11・11が下駄の歯に似ているところから決めた。伊豆長岡温泉で下駄の供養祭がある。」』3
- 「履物組合が決めた「下駄の日」で、十一月十一日。一一・一一と書けば下駄の歯の跡になるからだ。」4
- 『ラジオを聞いていたら11月11日は「下駄の日」であるという。理由は、あの有名な俳句「・・・二の字二の字の下駄のあと」から来ているんだそうです。』5
下駄供養祭り自体は、11月11日に古くから開催されている6。2009年の開催が第48回で7、毎年開催していたとすると第1回は1962年である。国立国会図書館デジタルコレクションで下駄供養祭りの記載のある最古の資料は、1964年2月出版の「サングラフ」でおそらく1963年の写真が掲載あり、「伊豆長岡温泉の例年行事」とされている8。
「下駄の日」を記した「記念日の事典」(加藤迪男 編、東京堂出版、1999年9月)では、伊豆長岡観光協会が制定したとしている。同じ編者で1年早く出版された「366日の話題事典」(加藤迪男 編、東京堂出版、1998年3月)では「下駄の日」を掲載していない。
「静岡新聞データベースplus日経テレコン」に11月11日の「下駄の日」の結果なし。ただし検索可能な範囲が、静岡新聞は1988年3月以降、伊豆新聞・熱海新聞・伊豆日日新聞は2010年9月1日以降。
下記資料は、下駄供養の記載はあるが「下駄の日」の記載なし。
- 『静岡県伊豆長岡町勢要覧 1994年 町制施行60周年記念』 伊豆長岡町役場観光商工課/編集 1994年 (S318.1/10)
- 『しずおか辞典発見伝』静岡新聞社/著 2001年 (S030/3) p.229「下駄供養祭」
- 『ぐるる静岡ものしり事典』 静岡県観光協会/編著 2007年 (S290/327) p.79「下駄供養祭」
- 『伊豆大事典 紙上博物館』 伊豆学研究会伊豆大事典刊行委員会/編集 (S030/5) 2010年 p.415 「下駄供養祭」
- 『広報いずのくに』平成21年11月号No.94 (SZ31/116)
- 『広報伊豆長岡 縮刷版』昭和36年7月?昭和59年4月(SZ31/117) p.65写真のみ、p.151、p.342、p.440、p.497、p.549、p.611、p.742、P.828
(静岡新聞データベースplus日経テレコンの検索、静岡県立図書館の蔵書からの調査は、静岡県立図書館のリファレンスサービスを利用した)
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『鉄道通信 = Railway telecommunications & electronics』38(11),鉄道通信協会,1987-11. p.48↩
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「伊豆長岡温泉の三大行事の一つ〝下駄供養祭〟がさる十一月十一日催された。」 日本温泉協会 編『温泉』35(12)(394),日本温泉協会,1967-12.↩