忠犬ハチ公の日(4月8日の記念日)
「忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会」が制定した説があるが典拠不明で、おそらく誤り。 1991年(平成3年)4月8日にホワイトガーデン協会が企画・実施した「忠犬ハチ公慰霊祭」が、「忠犬ハチ公の日」に変化したと推測。「忠犬ハチ公慰霊祭」は「忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会」が引き継ぎ、少なくとも2023年まで開催されている1。
日付は、命日(3月8日)ではなく、ハチ公前広場の桜が咲くころとして4月8日となった(後述)。
慰霊祭は、2017年まで渋谷、大館両駅前で4月8日に開催していたが、大館市と渋谷区の関係者が互いを訪問して交流を深めるため、大館では、2018年から、5月8日に開催されている2。
また、慰霊祭は、ホワイトガーデン協会の企画以前にも開催されていた記録がある3。
- 1935年3月8日 ハチ公が死ぬ。
- 1991年4月8日 『ホワイトガーデン協会が「忠犬ハチ公慰霊祭」企画実施する。』4。
- 1991年11月4日 『銅像再建時メンバーが中心となり「忠犬ハチ公銅像・秋田犬群像維持会」を発足させ、総会にて以後二つの行事を維持会の主催とすることを決める。』4
北鹿新聞(北鹿新聞社、大館市)1987年(昭和62年)〜1995年(平成7年)によると、1991年に「ホワイトガーデン協会」による「ハチ公慰霊祭」の開催し、以降「銅像維持会」が主催と確認できる。
- 昭和62年4月8日(水)〜14日(火) 記載なし
- 平成元年4月8日(土)〜14日(金) 記載なし
- 平成2年4月8日(日)〜14日(土) 記載なし
- 平成3年4月8日(月) 6面「きょうの行事」に「忠犬ハチ公慰霊祭(午後1時・JR大館駅前広場)」
- 平成3年4月9日(火) 6面「ハチ公誕生の風土を見直そう ホワイトガーデン協会がハチ公慰霊祭」
- 平成4年4月8日(水) 記載なし
- 平成4年4月9日(木) 6面「東京渋谷で郷土をPR 大館青年会議所 ハチ公生かし物産展」
- 平成5年4月8日(木) 5面「きょうの行事」に「ハチ公慰霊祭(午後6時・JR大館駅前広場)」
- 平成5年4月9日(金) 7面「ハチ公の魂永遠に 大館で渋谷と同時に慰霊祭 キャンドル捧げ供養」に「慰霊祭は、「ハチ公を育んだ大館の風土、自然を見直そう」と、ホワイトガーデン協会(石川成会長)が中心となって一昨年に初めて開催した。その後は銅像維持会(平泉良之助会長)が主催、同協会主催で行われている」
- 平成6年4月8日(金) 記載なし
- 平成6年4月9日(土) 7面「ハチ公にキャンドルささげる 渋谷と同時開催 60回忌、大館で慰霊祭」
- 平成7年4月8日(土) 記載なし
- 平成7年4月10日(月) 7面「ずっと見守っていて 大館駅前・ハチ公慰霊祭」
日付に関して、「ハチ公の命日は3月8日ですが、初代会長の並木さんから「ハチ公前広場の桜が咲くころに開催しよう」という提案を受け、桜の時期に合わせて毎年4月8日に行っています」(しぶや区ニュース(広報紙)平成30年4月1日(No.1383)p.2)
忠犬ハチ公銅像維持会について「昭和23年に2代目のハチ公像が建てられました」「銅像を後世にわたって守り継いでいこうと、2代目のハチ公像が建てられた際に設立された団体」「4月8日には渋谷駅前のハチ公広場で忠犬ハチ公慰霊祭を開催しています」(しぶや区ニュース(広報紙)令和5年8月1日(No.1526)p.2)
この日を1994年・1998年・1999年出版の書籍では「忠犬ハチ公慰霊祭」としている5 6 7。2009年出版の書籍では「忠犬ハチ公の日」としている8。
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「慰霊祭は命日とされる3月8日の1カ月後に渋谷、大館両駅前でそれぞれ2017年まで行われてきた。18年からは、大館市と渋谷区の関係者が互いを訪問して交流を深めるため、大館での慰霊祭を4月から1カ月ずらし、5月8日に開いている。」 「みんなの心に生き続けて」 大館市民、花手向けハチ公しのぶ│秋田犬新聞↩
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昭和二十四年四月四日「ケンケンゴウゴウ ハチ公の13回忌」〔朝日〕「ハチ公十三回忌の三日午前十一時から、渋谷駅前広場で秋田犬協会主催の全国秋田犬コンクールが開かれた。(中略)五頭に総理大臣賞、都知事賞、ハチ公賞などが授与され、前で行われたハチ公慰霊祭に参列した。」『新聞集成昭和史の証言 第24巻 経済転機・占領政策転換』(SBB出版会、1991.8)p.120-121↩
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『記念日の本「今日はなんの日」? 』(生活情報研究会 編、ごま書房、1994年10月)↩
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「この日何の日1億人のための366日使える話のネタ本」(リンクアップ編著、秀和システム、2009年11月)↩